大型サーバーラックの概要
大型サーバーラックとは、サーバーやネットワーク機器を効率的に収納し、安定稼働を支える19インチ規格の収納筐体です。標準幅は19インチ(約482.6 mm)、高さは1U(44.45 mm)位で決められており、42Uや36Uなどの大型モデルでは多数のサーバーを縦に積み重ねて設置できます。
ラックのメリット
大量の機器を集約して床面積を節約し、頑丈なフレームで機器を保護しながらケーブルを整理できる点が大きなメリットです。メッシュ扉やパンチングパネルを採用したモデルでは前面から冷気を取り込み背面から排熱するエアフローが確保されるため、放熱対策にも優れています。また、扉を施錠することで物理的なセキュリティを向上させ、ほこりの侵入も防げます。
- 種類:オープンラックとクローズドラック
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大型サーバーラックにはオープンラックとクローズドラックの2種類があります。オープンラックは価格が安く作業性が高い反面、防塵性やセキュリティが低いのが弱点です。クローズドラックは周囲をパネルで覆っており、メッシュ扉などで放熱性を高めつつ施錠機構で保護できるため、データセンターや企業のサーバー室で主流となっています。
選び方のポイント
機器の総U数に将来の増設分を加味して20〜30%ほど余裕を取ること、奥行きと横幅が設置場所やサーバー本体に合っているか、総重量に耐えられる耐荷重を備えているか、扉の材質や鍵の種類が求める冷却性能やセキュリティレベルに適しているかを確認しましょう。搬入経路や床の耐荷重、電源容量、空調能力を事前にチェックすることも重要です。
イーサプライ製品の例
例えばイーサプライの36Uモデル(EZ1‑SV018)は外寸約幅600×奥行1100×高さ1795 mm、製品重量124.4 kgで、総耐荷重は500 kgと大型機器を安心して搭載できますesupply.co.jp。前後扉に放熱性の高いメッシュパネルを採用し、鍵付きのためセキュリティと冷却性能を両立していますesupply.co.jp。棚板2枚とスライド棚1枚、底板が標準装備され、キャスターとアジャスターが付属するため設置や移動が容易ですesupply.co.jp。ラインアップには24Uの中型モデルや奥行き60 cmの省スペースタイプなどもあり、SOHOからデータセンターまで幅広く利用できます。
集約による配線・保守メリット
ラックに機器を集約することで、配線が短くなり信号劣化やケーブル障害のリスクを減らせます。ケーブルの整理によりメンテナンスが容易になり、増設や故障対応の作業時間を短縮できます。棚板やスライド棚を活用すれば、NASやUPS、ネットワークスイッチなど厚みの異なる機器も効率的に配置できます。
ホットアイル・コールドアイルと省エネ管理
データセンターではホットアイル・コールドアイル方式を採用し、ラック前面の通路(コールドアイル)に冷気を集中させ、背面の通路(ホットアイル)から熱気を回収することで冷却効率を高めています。ラック内の温度や湿度を監視するセンサーを設置し、運用管理システムと連携して省エネと安定稼働を両立させています。ラック契約時には供給電力(4 kVAなど)の上限が定められているため、消費電力を計算して管理することが求められます。
設置前の注意点
設置前にはラックを運搬できる搬入経路を確認し、床の耐荷重やアンカー固定が必要かを調べること、電源のプラグ形状と電圧が機器に合っているかをチェックすることも忘れてはいけません。ラックは一度設置すると交換が難しいため、将来の機器増設やレイアウト変更も視野に入れ、少し余裕を持ったサイズと耐荷重を選択しましょう。
家庭用・SOHO向けラック
オープンラックは家庭用やSOHO環境での少数機器の設置に適しており、価格が安い反面、物理セキュリティや防塵性が低い点に注意が必要です。クローズドラックには鍵付き扉や側板、天板があり、大量のサーバーを収納するデータセンター向けとして一般的です。前面ガラス扉は内部のLEDを目視確認しやすい利点がありますが通気性が低く、メッシュ扉は放熱性に優れる一方で中の機器が見えるため設置場所のセキュリティ要件に注意しましょう。SOHOや小規模オフィス向けには高さが12U〜24Uの中型ラックや壁掛けタイプがあり、省スペースモデルや奥行き60 cmのコンパクトタイプはオフィスのデッドスペースを活用できるため人気があります。用途に合わせて豊富なラインアップから選択すると良いでしょう。
まとめ
大型サーバーラックはIT機器の集約と安定運用に欠かせない装備であり、規格やサイズを理解し自社の要件に合ったモデルを選ぶことで、将来の拡張や設備投資を効率よく行うことができます。